「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」「銀魂」

kurawan2017-07-14

「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」
昔見たと思っていたのだが、見ていなかったようで、慌てて午前10時の映画祭で見ることにした。

ベン・アフレックとマット・ディモンがアカデミー脚本賞を受賞した名作ですが、なるほどというほど人間ドラマが実によくできています。ただ、若干人物の登場するタイミングが上手くないのと、終盤がややくどくてまとまりきれていないのが本当に残念。でも一級品の映画とはこういうものだと思わせる一本でした。監督はガス・ヴァン・サントです。

ハーバード大学、廊下の掃除をしている掃除人の主人公ウィル。この大学に勤務するジェラルド・ランボー教授は数学界でノーベル賞並みの賞をとった優秀な教授だが、学生に出した問題がいとも簡単に解かれているのを発見する。廊下に書かれた解答を行なったのはウィルだった。

ウィルは天才的な頭脳を持つのだが、スラム育ちで、いつもチャッキーら四人と車で遊びまわる日々を送っていた。しかし、ようやくジェラルドはウィルを発見する。しかしウィルは心を閉ざし乱暴を働き警察に捕まっていた。ジェラルドは彼を保護観察する条件で連れ出し、精神分析医のセラピーを受けさせながら、数学の難問を一緒に研究し始める。

しかし、物語はあくまでウィルの青春ドラマとして描いていき、酒場で知り合ったスカイラーとの恋の物語を一方で紡いでいく。このバランスが実にうまいのですが、ウィルに強い影響を与えることになり、またその本人もなくなった妻への思いに悩む苦悩から解放されることになるショーンの登場が少し遅い気がします。

ショーンはジェラルドの学生時代の友達で、学生時代から何かしらの確執があるようであり、その辺りのエピソードの挿入も実にうまい。

こうして、ショーンとジェラルド、ウィルとスカイラーの物語がウィルの天才というてい底辺のお話を基盤に展開していく。しかし、一つ一つがしっかりとしたドラマ性を帯びていて絡み合っていくあたりの展開はなかなかのものである。

結局、ウィルは、彼の頭脳を求める企業に就職することに決め、一緒に遊んでいた友達もウィルが新しく旅だったことを知り、スカイラーはカリフォルニアに旅立つ。ショーンも妻の死のトラウマから抜け出し、ジェラルドもまた、自分が求めていたことではない本当の気持ちを知るに及ぶ。

しかし、ウィルがショーンに残した手紙には、望まれた企業への就職はやめ、自分の本当に求めるものである恋人との人生が目的だと知り、スカイラーのもとに車を走らせる。エンドクレジットはその後ろ姿を延々と捉える。

うん、なかなかの映画。ただ終盤をもう少しうまく処理してれば最高だった。


銀魂
原作のギャグ性と福田雄一監督の悪ノリが上手くマッチせず、どこかちぐはぐになったために、終盤の畳み掛けがダラダラ感に見えてしまった。もう少しストーリーにキレがあり、立ち回りシーンもそれはそれでしっかり作ればエンターテインメントの傑作になったろうにという一本。まぁ、結構悪ノリには笑ったことは事実なので、福田雄一ファンとしてはあれはあれなりに楽しんだ。ただ終盤がやや眠かった。

時は江戸時代だが、宇宙から来た天人により開国した日本を舞台に、坂田銀時、神楽、新八らがばかばかしいほどのノリで様々な事件に臨む。

原作はしっかり読んでいないのですが、オバQみたいなキャラクターやでかい猫みたいな犬などレギュラーを実写ゆえに逆にノリで見せた登場をさせ、アニメの実写らしい味わいをしっかりと描いていく

謎の辻斬りが横行し、何やら妖刀をもった以蔵があらわれる。そして刀鍛冶の妹の依頼で坂田銀時がその謎に臨むのだが、ほとんどストーリーを描く気はないという感じでひたすら乗りまくりで物語が進むのはいつもの福田雄一色。

ガンダムが出て来たり、ワンピースのエピソードが出たり、さらにナウシカまで出て来たら呆れるほどの爆笑になってしまう。しかしそのあたりまでノリで見れるのだが、いよいよクライマックス、船上での立ち回りシーンがなんともしょぼく下手くそなので、何もかもぶち壊していくのである。どうやら福田雄一にはこの手のアクションシーンの才能はないようで、ないならないで工夫もあるだろうが、まともに映画的に作ろうとしたのが失敗。

まぁ、最後は一応物語は終わるのですが、なんとも散漫な仕上がりになってしまった。