「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「マミー 呪われた砂漠の王女」「世界は今日から君のもの」

kurawan2017-07-28

「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」
この手の娯楽エンターテインメント映画で眠くなったのも久しぶり。体調が悪かったのか映画が退屈だったのか不明な感じで見終わってしまいました。物語が今ひとつつかみどころがなくて、冒頭のとっかかりから展開、クライマックスに至るまでが今ひとつ盛り上がらないように思うのです。監督はアレックス・カーツマン。脚本家としてはなかなかなのでもっと面白い話の展開になりそうなのですが、監督としては才能がなかったのでしょうか?

約2000年前、古代エジプトの王女アマネットが次期王座につけなかったため死の神と契約を交わす。そのため生きながらミイラとされ葬られる場面から映画が始まる。

そして現代、いにしえのお宝を探すニックとクリスはイラクのとある村を眺めていた。地元武装民による遺跡破壊などが行われていた。そこへ飛び込んだ二人は、攻撃を受け、本部にピンポイント爆撃を依頼。やってきた爆撃機が破壊した後に巨大な穴が出現する。そして出てきたのが、たくさんの棺。

それは墓なのかと思ったが、実は牢獄であったようで、考古学者のジェニーらと取り上げ飛行機で飛び立つが、運び出したのはアマネットの棺で、呪いのカラスなどが襲ってきて飛行機は墜落する。

なんとかパラシュートで脱出したジェニーだが、ニックは一旦死んだのち蘇る。これは呪いなのである。

こうして物語の本編へ流れていく様相ながら、どうもニックが軽すぎて、トム・クルーズに似合わない。さらに、アマネットが蘇り、周りのミイラも蘇り次々と人間を襲うが、どうも目的がはっきり見えないのでよくわからないままにストーリーが進む。

結局、アマネットが滅ぼされて、ニックとクリスは呪いがかかったまま、一旦死んだものの生きている風で砂漠を走って行ってエンディング。

特撮シーンも迫力が今ひとつやし、3D上映もあるらしいが、どこがそうなのだろうという画面にしか見えない。そもそもB級ホラーアクションを大作に焼き直すのが無理があるような感じの出来栄えでした。


世界は今日から君のもの
こういう空気感の映画大好きですね。門脇麦を素のままでキャラクターに使ったのは或る意味芸がないかもしれないけど、すごくいい味になっていてほのぼの感の中に、人生って楽しいなと思わせてくれる明るさが潜んでいてとってもいいです。監督は尾崎将也です。

主人公真実が岸壁で海をみている。クラゲが一匹泳いでいてそれを目で追っていて海に落ちてしまう。高校の半ばから引きこもりの真実は父親と二人暮らし。母と父は離婚しているがいまでも連絡はある。機械工場でバイトをしていた真実だが、やめてしまってまた部屋にこもっている。そんな娘に父親がゲームのバグ探しのバイトを見つけてくる。真実はとりあえず仕事に就くが、たまたま昼休み、制作部の矢部が困っているイラストを勝手に修正したことがきっかけで、真実に絵の才能があると知れ、さらに矢部の周りの元カノらも絡んで物語が展開していく。

冒頭部分からして単純な再生物語ではないのはわかるし、せっかく矢部に依頼された絵もすっぽかし、矢部の元カノと出会ってその家で暮らすようになる真実の展開はさらなる面白さを予感させてくれる。

そして、強制されるのではなく自由に書けばいいと言われさらに戸惑いながらも、ふとしたきっかけで、スケッチブックにイラストを一気に書き溜め、それを元カノに見つけられ、矢部の会社の専属のイラストレーターでちょっとクセのある男のアシスタントになって、笑顔をこちらに向けた真実のカットでエンディング。ここちよいですね。とっても見終わった後が好感の映画でした。

少々門脇麦がしつこい演技を見せるところもありますが、あれはあれでいい味といえば言えなくもないし、矢部の元カノや真実の両親もいい味です。唯一中途半端なのは真実の幼馴染のニートの男の子が存在感が見えそうで見えないのが残念。
でも楽しい映画でした。