昨年、衝撃的な内容で観客の度肝を抜いた異色のホラーサスペンス「SAW」。
かなりえぐいシーンもありながら、見事に構成された物語展開と謎解きのおもしろさで、画面に釘付けにされた作品。
あの、どんでん返しから一年して早くも続編が登場。すべての謎があかされるというふれこみの「SAW2」を見てきました。
前作の謎がすべて網羅されているというふれこみは最後まで見るとなるほどとなっとく。前作の監督リー・ワネルとジェームズ・ウォンは今回は制作側に回り新たにダーレン・リン・バウズマンが監督を務めています。物語の冒頭シーンからはかなり大胆なジャンプカットなどを織り交ぜて、前作のショッキングなオープニングに負けず劣らずのでだし。
続くシーンは小刻みなカットの積み重ねと、いきなりどんどんショッキングシーンを挿入しながらの演出で一気に「SAW」の世界に引き込んでくれます。
今回の「SAW2」は前作とちがい、外部の世界からその犯罪ゲームの舞台に入り込んでいくといういわば二重の物語展開になっています。
とはいえ、犯人であるジグソウの面前で今回の事件を解決しようとする刑事が存在し、テレビモニターの中でその犯罪ゲームが展開するという指向はなかなか見応え十分。しかもジグソウの話す一言一言が謎解きのヒントになっているのだから、一時も目が離せません。至る所にちりばめられたヒントが次の展開の伏線になる一方で前作以上にショッキングなシーンが次々と登場し、ややくどいかなと思うこともしばしばあるものの、一気に突き進む迫力は見事でした。
ラストシーン、すべての謎が絡んだ糸をほぐすように解けていく様は、フラッシュバックのようなカットつなぎで細切れに説明され、そして残酷すぎるラストシーンを迎えるあたりは前作に劣らず見事な幕切れでした。
こうしたパート2ものは思わず第一作と比べがちになりますが、それは仕方ないことでしょう。特に第一作があまりにも斬新な設定から始まるので、どうしてもその続編は平凡に見えざるを得ませんが、それぞれ、別の作品と捕らえれば今回の「SAW2」はかなりおもしろい映画だったといえますね。ほんとに損のない作品でした。
最後に、パート3はやめて欲しいですね、さすがに。
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