手塚治虫の名作がついに実写に。
先日、友人にオリジナルのアニメを借りて再度見直してみた。ほとんど物語を覚えていなかったところを見ると、もしかしたらリアルタイムでは見ていなかったのかもしれない。
今時アニメの実写となれば当然ながらCGだらけの画面になって、果たしてこれが実写といえるものかどうか疑問であるが、今回の映画化に当たって、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の監督で「少林サッカー」などのアクション監督でも有名なチン・シウトンを招き、アクションシーンにも力を入れていたようです。
物語は原作の戦国時代を時代不明の頃に改変し、どろろを女に変更、所々、原作とは少し変えた形でオリジナリティも出しています。
全体のストーリーの流れは原作の味を生かしつつ、48体の魔物を倒すという設定で進む物の、最終的には24体倒したところで物語を終わらせ、無理矢理詰め込まなかったのは正解だったのではないでしょうか?
アクションシーンはさすがにみごとで、ワイヤーアクションをやたら持ち出したりすることもせず、といって、CGに頼るわけでもなく、可能な限り肉体的な動きのおもしろさと、短いカットつなぎ、そしてアップの多用などで、スリリングなシーンに仕上げています。
妻夫木聡の演技もなかなかの物ですが、ちょっと原作に比べて二枚目すぎるようですね。透き通ったイメージで作られていて、原作の顔立ちとは少し感じが異なります。それはまたそれでいいかもしれませんね。
心配だったのは柴咲コウのどろろですが、これもそれなりにわめくだけかもしれないとは思っていましたが、がんばっていたのではないでしょうか。(以下ネタばれあり)
登場人物が原作に見られる完全な勧善懲悪の世界にせずに、百鬼丸の父親が最後に改心し、いい人になって父親らしく終わるのはうーーんちょっと、味気ないような。もっと思い切り割るもので終わっても良かったのではないでしょうかね。
続編を作るつもりか、ラストで24体退治という文字を入れたのは意味ありげ。
全体の印象ですが、やはり原作と比べてしまうし、世界に通用するエンターテインメントとしてはちょっと力不足ですね。でも予想よりは良かったです