ティム・バートン監督とジョニー・デップとなればいまや黄金コンビである。
その独特の演出と、独特の演技力はこの二人をしてしか実現し得ないこれまた独特の作品が仕上がる。
そんな期待の作品が「スウィーニー・トッドフリート街の悪魔の理髪師」えある。
もともと名作ミュージカルだということであるが、なんで今まで映画化されなかったのか、この作品を見れば一目瞭然。はっきり言ってかなりのスプラッター性があるからだ。
色調を押さえ、モノクロに近い映像に絞ってそこに真っ赤な血を表現するティム・バートンの得意の演出であるが、それでも、かなりドキッとするほどストレートな殺人シーンが登場するし、物語も後半になると「地獄のモーテル」を思わせるような展開になってくる。
当然、誰もがしり込みするほど、下手をすれば完全なB級ホラーの世界になりかねない作品なのです。
それでも、ティム・バートンとジョニー・デップはまさにカリスマ的な映画として完成させた。しかもあまりにも切ない、涙を誘ってしまうラストシーンが用意されていて、ドキッとして、しんみり終わってしまう。
要するに一級品のB級ホラーなのだ。だから、すごい。しかもミュージカルで、ジョニー・デップが歌う、踊る、殺す、と、これまた彼にしかできない離れ業を行うのだ。