子母澤寛が実在の人物をモデルに作り上げた短編小説「座頭市物語」をもとに、大胆な感覚と類まれなカリスマ性でスクリーンに登場したのが、勝新太郎による座頭市シリーズ。
「おれたちゃぁなぁ、ご法度の裏街道わたる渡世なんだぞう・・」の名せりふを残し、一瞬にして居合い切りをする爽快なダークヒーローは、今なお、世界中にファンがいるほどの存在感を残しています
そんなオリジナリティあふれる主人公をなんと女版にしてスクリーンに登場させる、しかも、主演はいまをときめく綾瀬はるかとなれば、期待せずにいられない半面、スクリーンむきではない彼女の演技力に一抹の不安がありました。
さてさてできばえはといえば、あらためて、勝新太郎はカリスマだったと再認識しないわけに行きません。そして一方、いかに今や時代劇を演じる役者がいないことも痛感しました。
正直、テレビの時代劇のほうがよっぽど時代劇らしい。それに、久しぶりにスクリーンで見た窪塚洋介は、がっかり。もっと個性の塊だったような気がしたのですが、素人に近いほどのぎこちない演技。さらに、周りを取り囲む助演陣に芸達者がすくなかったため、非常に希薄な作品になっていました。
とはいえ、期待の綾瀬はるかの座頭市はといえば、これがまた美しい。というか、美しすぎる。そして、いまいちものたりないけれども、あれはあれで彼女の座頭市なのだろう。私は十分楽しめました。
殺陣の場面もそれなりに、スピード感があっておもしろかった。
まぁ、スローモーションという常道のごまかしはちょっと寂しかったですが。
基本的に脚本が良くないのが最大の欠点でしたね。脚本がよければ平凡な監督でもそれなりの作品に仕上がるのでしょうが、脚本の弱さを曽利文彦監督がカバーできなかったという感じ。
ラストの乱闘シーンは、まるで「ごくせん」などの学園ドラマのラストの如しでした。
でも楽しめましたよ。
さてもう一本は「センター・オブ・ジ・アース」という3D映画。
最新のデジタル技術による立体映画ということだけのために、劇場もりんくうまででかけました。
原作は映画になったジュール・ベルヌ原作の「地底旅行」の映画化。
確か、昔テレビで見た内容とほとんど同じ内容のように思います。
景色のデザインもどこかで見たような風景でしたが、まぁ作品の良し悪しはどうでも良かったので、久しぶりの立体映画でアトラクションのつもりで楽しんできました。
まぁ中身はなんにもないです。ストーリーの斬新さもないし、3Dが売り物なので、これといった画面のつくりに凝ったところもない。
ただ、立体に見えるようにわざとらしい場面が次々と続きます。
最新の3Dは疲れないように技術が進んだといいますが、確かに一昔前の青と赤よりは楽になったものの、やはりめがねをかけてみる限りは90分ほどの作品でも疲れますね。
まぁアトラクションとしてはあれでよかったかなと思います