「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「夜來香」

kurawan2016-02-06

「夜來香」
山口淑子のヒット曲「夜来香」をテーマ曲に展開するたわいもない悲恋物語市川崑監督1951年作品である。

時は1945年華北、日本軍の引き上げが進む中で、一人の女性秋子は軍医の関と知り合う。みるみる二人は惹かれあい、恋に落ちるが、爆撃に巻き込まれ離れ離れになる。そして時は1950年神戸。

秋子が生きていることを信じ探す関、一方、秋子は神戸で女給をしていた。
しかし、戦時中の古傷が元で関は失明、そんな折、偶然秋子は関に再会。人生に絶望していた関はかすかな希望を秋子に見出すが、二人は助け合って生きようと決めた日、ふとしたトラブルに巻き込まれた関は命を失う。ひたすら彼の帰りを待つ秋子の姿でエンディング。

特に秀でた演出も、市川崑らしい映像も見られない一本で、特に前半は、カットしてあるのかと思うほどに、シーンが飛んでいく。

後半の神戸の物語も、とうとうにストーリーが前に進む荒っぽさがあり、無理やり長さを調節したように見える。

とは言え、非常にレアな一本で、見る価値があったと思います。