「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「映画暗殺教室〜卒業編〜」「バットマンvsスーパーマン ジ

kurawan2016-03-25

「映画暗殺教室〜卒業編〜」
荒唐無稽な原作コミックの実写版続編。監督は引き続いて羽住英一郎である。前作はその度肝を抜いたハチャメチャ感が面白かったが、今回の続編はなんとも間延びしたテンポの悪い映画でした。原作が悪いのか脚本で失敗しているのかわかりませんが、とにかくだれてしまう。特に、殺せんせいの誕生の過去を語る桐谷美玲二宮和也の場面がとにかくだるくて、適当。

演技演出もなされていないのもそうですが、実験場面の適当な演出が幾ら何でもありの話とはいえショボすぎる。しかも、だらだらと展開するので、ただ二人を見せるためだけの場面にしか見えない。二宮和也がとても殺し屋に見えないのも最大の原因。

この中盤から後半が完全にダレてしまって、結局ヒューマニズムのラストに持っていくのだが、そこがなんとも適当。ヒューマニズムに持っていくことが甘いとかそういうのはさておいて、やるならやるで思い切り感動させていけばよかったのに、主演の山田涼介が下手くそなために、引っ張っていけない。

この作品を牽引するはずの殺せんせいを完全に登場させないようにして、ひたすら山田涼介その他のスター俳優のみを描き、さらに政府の計画する最後の作戦も適当に処理、結局、中途半端にテンポの悪い出来栄えになってしまった感じです。

相対的に、今回は悪役が弱いのでしょう。だから、主演のイケメンたちだけが半端に目立って、お話の独創性が完全に消滅してしまった感じです。面白い題材なのにね、客を呼ぶということ、面白く見せることを何か勘違いしてるのでしょうか。


バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」
これは面白い、特にクライマックスのバトルシーンは、そのカメラワークといい、編集の切り返しといい、とにかくハイスピードと迫力が半端ではないのです。しかも、ラストに突然登場するワンダーウーマンの演出も見事、さすがにザック・スナイダー監督の力量は半端じゃないですね。
映画は、すでにスーパーマンバットマンが普通の日常に存在し、人々も受け入れているゴッサムシティ、しかし、スーパーマンはその巨大さゆえにある意味、恐怖を持つ人々も現れている。そんな彼を陥れたのが、レックス・ルーサー。ありもしない大量殺戮をでっち上げ、スーパーマンのせいにして彼を追い詰める一方で、インドネシアで発見されたクリプトナイトのも鉱石を手に入れ、スーパーマンを倒そうとする。一方でバットマンも、スーパーマンに畏怖を覚え、クリプトナイトレックス・ルーサーから奪い、特別な武器を作る。

そして、レックス・ルーサーはスーパーマンの育ての母マーサを拉致し、その命と引き換えにバットマンを倒せと脅迫する。こうしてバットマンとスーパーマンの対決が始まるが、すんでのところでスーパーマンが、マーサが危ないと訴え、バットマンが幼くして殺された母の名前と同じマーサの名前に我に帰り、スーパーマンバットマンレックス・ルーサーの悪事を懲らしめるために共同することになる。

前半部分のストーリーの組み立てが今ひとつ無理があるように思え、ちょっと憮然としないところがあるが、ここまで頑張ってみると、この後はとにかく爽快なほどに面白い。

レックス・ルーサーはクリプトン星からの宇宙船の中にあった怪物を呼び覚まし、巨大化した怪物とスーパーマンを戦わせる。まるで「風の谷のナウシカ」の巨神兵である。こうしてクライマックスが幕をあける。突然助っ人に現れたワンダーウーマンも大活躍するというサービス満点のクライマックスとなる。

全てのエネルギーを吸収して強大になる怪物になすすべもないスーパーマンバットマンは自分の作ったクリプトナイトの槍で倒すことを思い出す。それを手にしたスーパーマンは、自分の力が弱められたまま怪物に体当たり。怪物はスーパーマンを突き刺すが、一方で槍によって、滅んでいく。そしてスーパーマンも死ぬ。

国葬としてからの棺で葬儀をし、スーパーマンの死体は故郷の墓に納められる。墓地に埋められた棺のカットで暗転だが、神の如しというセリフが何度も出ていたから、つまりは復活するのだろうか。とにかく面白かったです。

セリフの中に過去の名作映画のキャッチコーピーを散りばめるという遊び心満点の脚本も楽しいし、配役も面白い。中身こそたいしてないかもしれませんが、エンターテインメントとしては一級品の出来栄えだったと思います。本当に二時間あまり楽しみました。