「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「侠女」「残酷ドラゴン 決斗竜門の宿」

kurawan2017-03-30

「侠女」
二部作を一気に三時間で上映、4Kレストアバージョンの武侠映画の傑作を見る。なるほど「グリーン・デスティニー」のレトロ版といった感じの作品で、さすがに年代ゆえか描写はスローテンポだが、多分、公開当時この作品を見た人は驚愕したであろう素晴らしいアクションシーンである。飛ぶは、跳ねるは、舞うわ、美しい美学の中で展開する剣劇の面白さを堪能することができます。監督はキン・フー

一人の代書屋の男グーが店開きするところから映画が始まり、そこにいかにも怪しい人々が集まってくる。そして、住んでいるはずのないあばら家に住んでいるヤンという娘、さらに目の見えないシーという老人が、実は政府の悪行を正したものの陰謀にいハメられ逃亡した一味とわかってくる。

彼らを倒すために派遣される政府の役人たちとの戦いが本編で、剣術の使い手ではないグーは軍師として迎え撃つのが前篇「チンルー砦の戦い」、そしてそのまま後編「最後の法力」へと続く。

前半から頻繁に登場するものすごく強いお坊さんが、最後に仏になってエンディングなのである。

まさに東洋哲学とアクションが癒合されたストーリー構成に、引き込まれる不思議な魅力のある映画でした。

導入部の延々としたカメラワークはくどいものの、面倒な理屈を放っておけばかなり面白いアクション演出になっています。

ワイヤーワークもCGもなかった頃の映像としては画期的な一本、素晴らしかった。


「残酷ドラゴン 決斗竜門の宿」
題名の由来が何なのと思える一本ですが、とにかくアクションの面白さに引き込まれる映画です。しかも、前半は丁々発止の探り合いも面白いし、後半、突然メインキャラみたいに出てくる剣の達人などもあって、かなりストーリーが雑ですが、監督自ら考案したというワイヤーワークのアクションがすごい。監督はキン・フーです。

政府の悪人たちに追放された大臣の寵児たちを守るため竜門の宿に集まった剣の達人たちが、追手との派手な剣劇アクションを繰り返すという展開。

ストーリーは、後半かなり雑で、その場限りの部分が見られなくもないのですが、そんなところは脇においても、アクションシーンだけで最後まで見てしまいます。

特に、クライマックス、敵のボスキャラがやたら強いという設定もわかりやすくていいし、突然エンディングになるという適当さもこの手の映画の面白さで許せてしまうからいい。娯楽映画はこれくらい突っ走る勢いが欲しいですね。楽しかったです。