名優ショーン・ペンが監督を務めた話題作「イントゥ・ザ・ワイルド」を見る。
1992年、アラスカの荒野で発見されたクリストファー・マッカンドレス。
大学を優秀な成績で卒業したものの、現実の世界に失望し、一人旅に出る。そして、出会いと別れを繰り返して、ふとしたミスで荒野で命を落としてしまう。
そんな彼の放浪の旅をノンフィクションにした原作をもとに描かれたロードムービーである。
正直、出だしは、しんどいだろうという先入観もあってか、ちょっとぼんやりと眠かった。
ようやく、眠気も落ち着いて、中盤にさしかかろうとする頃から彼の生き様をしっかりと見据えることになる。
とはいっても、さすがに、こうした放浪人生が日本ではあまり一般的ではない上に、ショーン・ペンらしく、まじめそのものに描いているために劇的なドラマはほとんどなく、ひたすら、一人の若者の生き様を描写していく。
時間を前後に繰り返しながら、回想と現実を取り混ぜていく展開は、もう一つわかりやすくても良さそうな物なのだが、なんせ、冒頭を眠気の中で見たためにいまいち混乱から抜け出せない。
後半三分の一は出会った人々から微妙に人生観の変化を身につけていった彼の姿がちらほらと挿入され、一つ一つが思い起こされてくると、いつの間にか彼と一体となって最期を迎える。
確かにいい映画である。しかし、体調の悪いときの二時間四十分はしんどいですね