古き良きアメリカ映画の名作。グレン・ミラーの若き日からやがて曲がヒットし、結婚し、世界的にメジャーとなり、第二次大戦出征から死までを描いている。監督はアンソニー・マン。
質屋にトロンボーンを受けだしにいくグレン・ミラーの若き日の姿から映画が始まる。
次々とヒット曲の生まれるくだりを描く一方で、何気ない伏線で、その生まれるきっかけもちりばめたストーリー構成が実にうまい。
前半の、ギラギラした若者の彼の姿が、次第に貫禄を帯びてくるも、初心を決して忘れず、愛する妻のために愛する音楽を作り続ける。
音楽のためには、自ら出向くことに何のためらいもなく、結局最後は、パリに向かった飛行機に乗った後消息が分からなくなる。
シンプルな伝記映画なのに、エピソードの組み立てのリズムが非常にうまいので、次第にクライマックスに流れる様が自然とこちらに伝わってきます。まさに職人芸のような映画ですが、しんみりと心に残る名作だったと思います。